すべての情報は,誰か,のものではない。
quote:独国最高裁は,検索エンジンのペーパーボーイ社がメディア企業のニュースサイトのニュースにリンクし,コンテンツをデータベースに保存している行為は著作権違反などにあたらないとして,合法の判断を下した。
日本の総務省がウェブページを逐次保存して一般公開する,インターネット図書館を構築するという話が出てきた(Sankei Webの記事)。果たしてどれほどのものになるのかせせら笑って待ちたいと思うが,使えるものになるかどうかを判断する基準は,ただ1点しかない。頭の悪い人が念仏のように唱えて裁判所に訴えたりするような現行の著作権に違反しているページを収集し,公開するかどうかだ。すれば役に立ってみんなに喜ばれるし,しなければ閑古鳥も逃げ出すような誰も訪れないサイトになるだろう。
国家がやるから他人のものをコピーしても許される,のではない。ネットワーク上に持ち込まれた情報は,すべての人が自由に使うことができ,そこから未来は形作られていく。「情報」という言葉にはもちろん,音楽ファイルも入るし,動画ファイルも入る。ウェブの先祖であるヴァニヴァー・ブッシュの記憶の拡大構想(MEMEX)の根幹原理は,すべての情報を一所に蓄積し,検索によって探し出せて結び付けられて,新しい知を生み出す,というものだ。もうそろそろ本当に,一言目に著作権の話をするような莫迦を排除するべきだ。殺さなきゃいけないのなら,殺した方がよい,いさぎよく。
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